マイネット|ゲームの墓場とは言わせない!

かつてホールドしていた銘柄を改めて見直すシリーズ。今回は、投資家として2番目に大損をした「マイネット(3928)」を振り返ります。ちなみにトラウマレベルで損したので、現在は一株も持ってません。でも懲りないのでいつか買ってしまう可能性もあり。

そんな訳で、マイネットのビジネスモデルと今後の展望などをみてみようと思います。

マイネットのビジネスモデル

マイネットは、スマートフォン向けゲームアプリの運営に特化した「ゲームサービス事業」が主力。具体的には、他社のリリース済みゲームを買収または共同運営し、収益性を向上させ利益をあげます。要するに、儲からなくなったゲームを買収し、マイネットが持つ省コスト運営ノウハウで、乾いた雑巾を搾り取るビジネス。

このビジネスモデルの難しいところは、儲かるゲームは売って貰えないが、全然儲からないゲームはいらないという点。テコ入れすれば儲かるかの見極めが難しく、さじ加減の困難さが次の業績に現れています。

マイネットの業績

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 純利益(百万円)
2014年12月期 993 2 10
2015年12月期 2,964 145 95
2016年12月期 6,801 500 883
2017年12月期 11,958 611 13
2018年12月期 12,134 17 -3,257
2019年12月期 11,650 -775 -2,409
2020年12月期 11,533 1,135 1,129
2021年12月期 10,571 577 229
2022年12月期 10,542 -399 -1,633
2023年12月期 8,717 168 143

見ての通り売上は頭打ち。営業利益、純利益は赤字と黒字のバラツキがひどく、利益が予想できません。2016年度にクルーズのゲーム部門を取得したことにより、2017年度は売上を大幅に増加させています。しかし利益を出す体制が整いきらず、大幅な減益。

2018年度は大規模な不正アクセスで13タイトルのサービスを停止し、大赤字をたたき出しています。2019年度は買収したゲームの回収が見込めないことから、複数タイトルを減損。その影響で2019年度も大幅な赤字となっています。

2020年度は損出しや人員削減により黒字回復を達成するものの、2022年度は売上原価の増加、管理費の増加、減損損失の計上により、営業利益も赤字。安定しないビジネスモデルが続いています。

ちなみに私は、2020年ぐらいにすべて損切し、この年はマイネットのおかげで-37%という凄腕パフォーマンスを叩き出しました。

今後の展望

私が損切りした頃のゲーム運用数は30本前後で推移し、本数が増える気配がありませんでした。2024年度の第三四半期を見ると80本まで増えており、収益の柱となるゲームサービス事業は持ち直しているようです。ただこの事業は浮き沈みが激しく、継続的に成長できるかの判断が難しいところ。競合企業が多くないのも、手間がかかる割に利益を出しにくいというのがあるのかもしれません。

一方の新規事業は、ファンタジースポーツ「B.LEAGUE#LIVE」を中心に様々な取り組みを行っていますが、まだ黒字には至っていません。こちらが第二の柱に育つかについては、未知数というところでしょう。個人的にはファンタジースポーツのB.LEAGUE#LIVEはバスケットボール人気もあり、売上も伸びているのでこちらは期待しています。バスケットに全く興味がないのでやったことはありませんが。

まとめ

最近のマイネットのIRを見ていないのでわかりませんが、かつてのIRは、悪い部分を隠し良い部分を強調するという傾向にありました。どんなに赤字でも「EBITDAは黒字である」と書き続けていたのは、少し不誠実と感じました。一般的に投資家は、営業利益や純利益で判断することが多いでしょう。赤字なのにEBITDAは黒字と強弁したところで、評価されることはありません。ちなみにEBITDAの意味は忘れました。

毒ドリンクや古墳など微妙なものに惹かれてしまう性格上、業績不振の企業の復活に賭けるというクソ株投資を好んでいました。ただ、好んでいただけで実際にそのパターンで勝てたことはありません。クソ株投資をやる場合、それなりに調べ上げストーリーが見えていないと勝つのは難しい世界です。単に微妙なクソ株を買うだけでは勝てないということを嫌というほど知れた点で、まあ良かったのかなと思います。ものすごい高い勉強代になりましたが。

マイネットから得た教訓としては「増収増益の割安な株を買って寝とけ!」ということでした。それができたら苦労はしないんですが。

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